無言の葉書

 梅雨。よくまあ、これだけの水分が空中にあるものだと呆れるほど毎日雨が降る。雨の雫が重みに耐えかねて、つっと動き始め、窓ガラスを伝わって流れ落ちる。 過日、萬年筆くらぶ会員のSさんから受け取った、少し大きめの封筒から出て…