カードスタンド

 1880年頃のイギリスのものだと、私がよく遊びに行くアンティークショップの店主は言う。 子犬を胸に抱き、壁際に佇む婦人。幅7センチ、高さ9センチ。ブロンズの重みが掌で心地よい。壁と婦人とでは金属の成分が微妙に異なってい…

クリスタルタンブラー(追記)

 『クリスタルタンブラー』を読んだ読者から次のような手紙をもらった。  <読んで安心しました。でべそさんが、頬を伝わる哀しみの涙で切手を貼っておられるのではないかと心配していたからです。>  ああ、そのような夜もあったか…

クリスタルタンブラー

 私は、深夜、ウィスキーをロックでチビチビと舐めながら本を読んだり、手紙を書いたりするのを楽しみとしている。そのゆったりと流れる時を共に過ごすパートナーとして万年筆が重要な存在となっているのだが、机上にお気に入りのタンブ…

切手携帯ケース

 旧国鉄のことをJRと呼べるようになるまで十年位かかった。私はJRになっても、国鉄と呼び続けた。民営化には賛成できなかったからだ。しかし、何時しか国鉄では通じなくなり、仕方なくJRと呼ぶことなってしまった。 福知山線の事…

レターラック

 私は年間、約1000枚の葉書を書く。1日平均3枚ということになる。毎日書くわけではない。1日1枚という日もあれば、まとめて5~6枚という日もある。記念切手を貼りたいので官製葉書は使わない。 文具店に入ると、必ずカードを…

葉書スタンド

 旅先の友人から素敵な絵葉書を貰うことがある。万年筆のインクが鮮やかだ。この風景の中で、ゆっくりと流れる時間に身を任せているのだろうと、暫し写真を眺める。友人のことだ、今頃、美味しい酒でも飲みながら、一日の終わりのひと時…

ライティングボックス

 IRENE FROM MOTHER ON HER BIRTHDAY  NOV.8TH.1915.と刻印がある。縦23センチ、横34センチ、高さ15センチのライティングボックス。箱の中にはレターセットや筆記具・インク瓶を…

K女史からの転居連絡葉書

 「下記の住所に転居しました。近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。」 よく見る文面である。今まで一度も遊びに行ったこともないのに遊びに行ってもいいのかな…。仕事関係で知り合った人で、そんなに親しい間柄でもないけど……

有安さんからの絵葉書

 「そんなことを言っていたら、いつまで経っても実現することはできませんよ!」 有安さんは言い放った。少し怒気すら感じられる言い方だった。 有安さんはアンティークショップ「飾り屋倶楽部」の店主だ。知り合って10年以上になる…

無言の葉書

 梅雨。よくまあ、これだけの水分が空中にあるものだと呆れるほど毎日雨が降る。雨の雫が重みに耐えかねて、つっと動き始め、窓ガラスを伝わって流れ落ちる。 過日、萬年筆くらぶ会員のSさんから受け取った、少し大きめの封筒から出て…